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授業一覧・シラバス

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平成17年度の授業一覧

大学院 自然科学研究科 博士前期課程 地球科学専攻 惑星物質科学講座

揮発性物質地球化学・日下部 実・後期
マグマの上昇と噴火における揮発性物質の挙動と役割,ならびにマグマを駆動源とした地球表層における物質移動の地球化学について述べる.物質移動のトレーサーとして重要な役目を果たしている軽元素の安定同位体地球化学について概観する.
熱物質の状態論 山下 茂
マグマを高温高圧の気相,液相,固相からなる熱物質としてとらえて,そのマクロな熱力学的取り扱いの基礎を解説し,各相の間の平衡関係や状態量の温度・圧力変化を考察する.さらに,このようなプローチのマグマ発生・上昇や火山噴火メカニズム研究への応用例を紹介する.
マグマの物理化学 薛 献宇
地球進化におけるマグマの挙動,及びそれらを支配するケイ酸塩メルトの構造と熱力学性質及び粘性・密度などの物性を物理化学的視点から考察する.特にマグマの原子レベルの描像に着眼する.また,地球物質科学研究センターにおける関連研究活動も紹介する.
計算地球物質科学 神崎 正美
地表から地球惑星中心の極限温度圧力条件までの物質の構造・物性を研究するために,古典的及び第一原理分子動力学法,分子軌道法等を使った計算機シミュレーション技術を紹介する.また,それらを使った応用例の紹介や計算のデモンストレーションを行う.
同位体地球化学 中村 栄三
大陸地殻,海洋地殻ならびにマントルを構成する火成岩や変成岩ならびにそれらの構成鉱物の主要・微量元素組成,各種同位体組成ならびに閉鎖温度の異なる様々な年代測定結果を基に,マグマの起源物質とマグマの形成・移動過程,変成作用における元素の再分配とその時代,更にはこれらの基礎データを用いた地殻・マントルの分化過程及び相互作用について議論し,地球を含む太陽系惑星の形成過程の基礎知識を提供する.
微量元素地球化学 牧嶋 昭夫
惑星の形成・進化を解明する上で重要な岩石・鉱物中の微量元素の,化学分析法について解説する.特に,各元素の固有の性質についての解説にも重点を置き,元素の性質に基づいた資料の前処理法の重要性を理解させる.さらに,ICP 誘導結合プラズマ質量分析法の原理,限界について特に詳しく解説する.そして,基礎科学としての地球化学のための,正確さの高いデータに基づく議論の重要性を理解させたい.
実験地球化学 木島 宣明
地殻内部では水性流体の関与する様々な重要な反応が起こっている.それらの理解のためになされてきた実験法について解説する.
超高圧地球科学 伊藤 英司
超高圧実験の手法とその地球科学への応用を詳述する.地球惑星内部には超高圧高温の世界が広がっている.したがって,その物質科学的理解のためには実験室的にその条件を創って構成物質の状態を調べなければならない.
地球内部物理学 桂 智男
地球内部構造を解明する上で重要な地震学・地球電磁気学的観測と岩石学的地球化学的観察事項について概説する.次に地球内部を構成すると予想される物質の状態方程式・熱弾性・電気伝導度等諸物性について論じ,それらをもとに地球内部構造とダイナミクスについて論じる.
地球弾性論 米田 明
マントル及び地殻の構成物質の弾性的性質,熱力学的パラメーターなどの物理的基礎について詳しく解説する.さらに,これらの決定・測定法について概説し,地震学観測データと物性実験データに基づき,地球内部の構造,状態について物質科学的に解釈する.

大学院 自然科学研究科 博士後期課程 先端基礎科学専攻 惑星物質科学講座

安定同位体地球化学 日下部 実
マグマの上昇・噴火および火山ー流体相互作用においては水・二酸化炭素・二酸化硫黄・硫化水素などの揮発性物質が重要な役割を果たしている.軽元素の安定同位体地球化学の視点から,火山ガスやマグマー熱水系におけるこれらの物質の起源と挙動 を明らかにする.
放射光地球物質科学 神崎 正美
放射光を利用した方法により,地球惑星物質の組成,構造,物性等を研究する方法について解説する.取り上げる話題は,回折,X線吸収,非弾性散乱,核共鳴散乱,光電子分光,X線トポグラフィ,ラジオグラフィ,トモグラフィ,赤外吸収,蛍光X線分析などである.
地球科学における分光法 薛 献宇
地球物質の構造解析にはX線や中性子回折法のほか,核磁気共鳴法,ラマン,赤外分光法などの分光学手法も広く利用されている.これらの分光法の原理とそれぞれの特徴を解説する.また,固体地球研究センターにおける関連研究テーマを中心に,分光法の鉱物学およびマグマ学への応用例を紹介する.
実験マグマ学 山下 茂
高温高圧下のマグマの熱力学的性質と物性にもとづいて,火山の下でマグマがどのような状態にあるのか,どのように発生して移動上昇し噴火にいたるのかを考える.高温高圧のマグマの諸性質を室内実験により再現・決定する手法の実際的な面もあわせて 解説する.
ケミカルジオダイナミクス論 中村 栄三
同位体や微量元素などの地球化学的トレーサーを主な手段として,大気・海洋・地殻・マントルおよび核からなる地球の構造的分化とその歴史を解説する.講義は基本的な地球化学的問題と受講者の研究テーマに近い内容を選び,より実践的な方法論に基づいた展開をする.
惑星起源物質化学 牧嶋 昭夫
まず,超新星爆発による原子核合成を説明し,元素と同位体の起源を解説する.さらに,隕石・惑星の形成,さらには今日の姿への進化まで,岩石・鉱物中の微量元素化学分析技術の進歩に伴う研究の進展に沿って解説する.特に元素の性質と,地球化学の武器(微量元素組成,安定同位体組成,放射性起源の同位体比変動)などの原理と,どのようにして実際に応用するのかの理解に重点をおきたい.
始源地球論 伊藤 英司
地球始原物質について超高圧高温下における相平衡,反応,元素分配を明らかにして,地球形成後の中心核の分離,マントルの分化を論じる.また,上部・下部マントルの構造を解説した上で,地球内部の物質移動とその地球進化における役割を探求する.
鉱物物性論 桂 智男
地球内部構成物の物性に関する知識は,地球物理学的観測から,地球内部構造とダイナミクスに関する知見を得るために必須である.しかし,地球内部は極端な高温高圧条件下にあり,そのような条件での鉱物の物性は常温常圧とは大きく異なる振る舞いをする.本講義では,高温高圧下での鉱物の物性,特に電気伝導度・熱伝導率・流動則など輸送に関する物性について詳述し,地球内部構造とダイナミクスに関する理解を深める.
鉱物の状態方程式 米田 明
鉱物の状態方程式は,地球深部構造を論じる上で不可欠のものである.本講義では地震波速度モデルと状態方程式の関係を考察し,ついで状態方程式の基礎となる熱力学について詳述する.さらに,高温高圧X線実験,衝撃波実験,超音波測定,共振法等,状態方程式決定に重要な各種の実験法について解説する.

Institute for Study of the Earth's Interior