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 解説
Yoshino T., Price J.D., Wark D.A., Watson E.B., Effect of faceting on pore geometry in texturally equilibrated rocks: implications for low permeability at low porosity, Contrib. Mineral. Petrol., 152, 169-186, 2006. 戻る Full text
構造平衡岩石の空隙の形へのファセットの影響:低い空隙率における低浸透率の解釈

 岩石中にメルトや水などの液相が3次元的にネットワークを形成していると、液相はその浮力によってダルシー則にしたがって速やかに岩石中を移動することが可能になります。地球深部で想定されるような高温状態では、液相の分布は、固液界面のエネルギーが最小となるような安定な分布(構造平衡)を示すようになります。理想的な等方的な系では、液相の分布は二面角を与えることにより、予測することが出来ます。しかしながら、天然の岩石の浸透率の測定は、理想的な系に比べて常に浸透率は悪くなる傾向があります。これは、液相の分布は一定の曲率を持つ単純な等方的な系ではなく、鉱物のある種の低エネルギー面が固液界面で発達するためです(図)。そこで、多様な異方性をもつ鉱物と液相からなる系における高温高圧条件での安定な液相分布の形態の定量化を行うことにより、浸透率がなぜ小さくなるのかを考察しました。
 本研究では、高温高圧下で合成した固液複合系の液相分布を画像解析によって、固液界面が特定の低指数の結晶面によって覆われている割合を無次元量(F)として定量化を行いました。その結果、ファセットが発達している系では、液相の分布が一部の間隙が異常に発達するために不均質になることが分かりました。このことから、液相の多くはプール状に集まって、結晶の稜の部分の液相の3次元的な連結に寄与する部分の液相の量が減るために浸透率が下がると解釈されます。


図 液相の分布。左側は等方的な蛍石ー水系、右側が石英ー水系で下側ほど水の量が多い。石英ー水系はファセットが多く発達しており、液相の分布は不均質である。黒い部分は水に満たされた間隙である。

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