我々の研究室では、地球内部構成物の物性、特に熱的・弾性的性質を調べている。また、この目的のために必要な技術開発も行っている。現在最も力をいれているのは、珪酸塩鉱物や珪酸塩融体、また、その混合物の弾性的・非弾性的性質を、共振法の手法により決定することである。この手法によれば、実験室系としては、より天然の系に近い、低い周波数 (10kHz-1MHz) で弾性的・非弾性的性質を高精度で決定することができる。我々は、本学理学部と協力して、高圧鉱物の弾性定数とその温度依存性の決定を行っている。液体の場合、形がないため共振法で弾性的・非弾性的性質を決定することが非常に困難であった。そこで、液体-固体複合共振法という手法を新しく開発することにより、珪酸塩融体やその他の液体の弾性的・非弾性的性質の決定を試みている。またそのための新しい解析アルゴリズムの開発も行っている。共振法は常圧では強力であるが、高圧下に適用することは困難である。我々は、超高圧発生装置内で鉱物の弾性波速度測定を行い、高圧下で弾性定数の決定を行っている。これにより、高圧X線用標準物質の状態方程式を高い精度で決定し、X線その場観察による圧力決定の信頼性の確立を行っている。
これらの実験的研究と平行して、我々は非静水圧的高圧下に置かれた弾性的非等方体の熱力学ポテンシャルの定式化を試み、応力場の高圧相転移に対する影響の見積もりを行っている。