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解説JMPS2018-3

  • Kanzaki, M. (2018) Pressure-induced phase transitions of Zn2SiO4 III and IV studied using in-situ Raman spectroscopy, J. Mineral. Petrol. Sci., 113, 263-267 (https://doi.org/10.2465/jmps.180409 ) の日本語解説

  • Zn2SiO4のIIIとIV相は高温高圧回収実験で見つかった相であるが、最近の我々の結晶構造解析からは、本来の高圧相が圧力を降ろす過程で密度の低い構造に転移してできたものと予想された。もしそれが本当であるならば、それらの相に圧力をかけると、本来の高圧相へ転移するはずである。本研究では高圧下でのラマン分光測定を行なって、実際に転移が見えるか調べてみた。

方法

  • 高圧その場実験にはダイヤモンドアンビルセル高圧装置を使用した。ダイヤモンドの窓を通して、高圧下の試料にレーザービームを当てて、そこからでるラマン散乱を測定できる。ラマン散乱スペクトルは結晶構造によりピーク位置とピーク数が変化するため、相転移で結晶構造に変化があると、それを検出することができる。IIIとIV相は以前の我々の構造解析の時に合成した試料を使った。測定温度は全て室温である。

結果と議論

  • III相のその場高圧ラマン分光実験では、加圧時に5.5 GPaでラマンスペクトルに大きな変化が生じ、転移が観察された。減圧時には1.7 GPaでIII相へ戻り、転移圧のヒステリシスが見られた。以下、この高圧相をIII-HPと書く。
  • IV相のその場高圧ラマン分光実験では、加圧時に2.5 GPaでラマンスペクトルに大きな変化が生じ、転移が観察された。減圧時には2.5 GPaでIV相へ戻った。こちらはヒステリシスが非常に小さかった。以下、この高圧相をIV-HPと書く。
  • どちらの転移もラマンピークが消えたり、新しく現れていることから、一次相転移と考えられる。これらの結果から予想通り、III-HP, IV-HPが本来の高圧相であり、III, IV相は圧力を下げている時に生じた、安定ではない相(retrograde相)と分かった。
  • ラマンスペクトルから直ちに結晶構造を求めることはできないので、III-HPとIV-HPの構造はまだ分かっていない。しかし、結晶構造の系統的な研究から、可能性のある候補として、olivine, Na2CrO4, Ag2CrO4を提案した。今後、回折法による確認が必要である。

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Last-modified: 2018-10-20 (土) 15:40:54 (277d)