Fox vs Superflip vs EXPO2013

created by mkanzaki@me.com 2013 12/27

実空間法とチャージフリッピング法と直接法の比較

  • 粉末X線回折データを使った初期構造解析で、実空間法(Fox), charge flipping法(Superflip)と直接法(EXPO2013)の比較を行った。使ったのはこれまでFoxで構造解析してきた高圧相のデータなど。多くはSPring-8の19B2ビームラインでの測定。それ以外ではForsteriteはRigakuのSmartlabで測定、fluoroapatiteはRIETAN-FP付属の実験室データを使った。Superflipは粉末データから強度抽出する機能はないので、FoxのLe Bail法を使った。Superflip_plus_Fox参照。SuperflipとEXPO2013では粉末回折データ以外に化学組成の情報を使っている。Foxでの解析ではさらにNMRから得られた配位数、席の数の情報も利用している。EXPO2013はデフォルトの直接法での解析+"Explore trials"の結果。なおEXPO2013はまだ2日の使用経験しかない。一方、既に正解は分かっているので、EXPO2013, Superflipは正解が見えるまで色々試しているという所があるので、正解が分かっていない場合は試行錯誤しつつ時間もかけて解析することになるだろう。なお、Superflip, EXPO2013で解が得られたものでは、その結果は以前Foxを使って解析し、報告した結果と一致した。原子座標自由度は非等価な原子座標の数(x,y,zは3と数える)。スピネルの場合、酸素のuパラメータ1つを決めるだけなので1。
空間群原子座標自由度FoxSuperflipEXPO2013Superflip+Fox
Zn2GeO4 立方晶スピネル相Fd-3m1
Zn2GeO4 正方晶スピネル相P43229
fluoroapatiteP63/m11
Mg2SiO4 forsteritePnma11
Zn2SiO4 V相Imma11
Zn2SiO4 III相Pnma12
Zn2SiO4 IV相Pbca21
AlPO4 moganite相P2/c26
Ca8Al4Si4O22低圧相C2/c26
Ca10Al4Si6O28相C2/c29×
AlPO4 P21/c相P21/c54×××
AlPO4 AlVO4相P-154×××
Sr5V3(O/OH/F)22P21/c90-

◯:解けた,△:酸素原子見えず、×:解けず,ー:解析してない

感想

  • 構造が簡単なものではSuperflipおよびEXPO2013で数分で解けてしまうので、最初はそれらをまず試した方がよい。Superflipは別途粉末データの処理が必要なので、EXPO2013がお勧め。特に重い元素が含まれている場合には、重い元素位置はSuperflipとEXPOで確実に決まるはず。SuperflipとEXPO2013(デフォルト設定)はほぼ互角。低対称性で複雑な構造では簡単には解けないケースがあり、Foxを試す価値がありそう。一見Foxが優れているように見えるかもしれないが、私のFoxの解析ではNMRの情報等を利用しており、また解析に相当の試行錯誤の時間がかかっている。今回EXPO2013, Superflipでうまくいってないのは、元素番号があまり大きく違わない系でかつ対称性が悪いもの。
  • 重い元素が含まれている場合は、SuperflipとEXPO2013をまず試してみる。重い元素の位置が決まる可能性が高い。Superflipの場合は、Foxなどに移行して軽い元素の位置を決める。特に重い元素を含まない場合は、SuperflipやEXPO2013で解けるかもしれないが、解けない場合は実空間法にたよるしかない。Si, Al, Pなどを含んでいる場合は、NMRを使って局所構造の情報を得ることが有効。

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Last-modified: 2013-12-27 (金) 17:03:01 (1425d)