QE5.1.1のインストールメモ Linux Fedora20 2014/11/18

  • Quantum-Espresso(QE)は、擬ポテンシャルと平面波を使う第一原理電子状態計算プログラムである。最新版の5.1.1をLinux (Fedora20 X86_64版) PCにインストールする。
  • 使っているPCはCore i7 X980 (3.33GHz)で6コア、Intel Fortran, c コンパイラを既にインストールしてある。それらのインストールについては以前インテルコンパイラ・インストールメモに書いた。
  • 最近、最新版のQE5.2.0をインストールしたが、以下の手順で問題なかった。openmpiは1.8.8になっていた。ただ、qe-gipawが5.1のままで、QE5.2.0ではコンパイルできないので、QE5.1.1の時のgipaw.xをコピーして使っている。

openmpiのインストール

  • www.open-mpi.orgからソースをダウンロード(ver.1.8.4)。prefixで指定しない場合は、デフォルト設定の/usr/local/binにインストールされる。Fedora20で何ら問題は出なかった。
    >./configure CC=icc CXX=icpc F77=ifort FC=ifort
    >make
    >su
    >make install
    /usr/local/binを.bash_profileまたは.bashrcのPATHに追記する。以下のように。
    PATH=$PATH:/usr/local/bin
    export PATH
    編集後は一旦ログアウトし、ログインしなおす。 また、Intel自体のmpirunをリネームしておく。どちらが使われているかは
    > which mpirun
    と打てばよい。

MKL(Intelのmath library)のfftwインターフェースの作成

  • fftwプログラムはQEにも用意されているが、MKLにfftwのインターフェースがある。こちらを使った方が速いようである。しかしMKLの方を使う場合は予めコンパイルする必要がある。/opt/intel/mkl/interfaces/fftw3xfにソースがあるので、ここでmakeする。64bit版の場合は、
    >make libintel64 compiler=intel
    できたライブラリーは/opt/intel/mkl/lib/intel64/に移す。Fedora13の時にあったトラブルはなくなった。

QE5.1.1のインストール

  • ソースはhttp://qe-forge.org/gf/project/q-e/からダウンロードできる。最新は5.1.1だった。必要に応じて他の必要なプログラムもダウンロードする。GIPAW法についてはいつからか別途提供されるようになり、http://qe-forge.org/gf/project/qe-gipaw/からダウンロードする。最新版は5.1だった。
  • tar.gzのものをホームディレクトリーにダウンロード。gunzipで解凍。tar xvfでアーカイブを展開する。
  • まずQuantum-espressoについて何も指定せずにconfigureしてみる。
    > ./configure
  • 出力の最後の方を見て、ライブラリーなどがIntel MKLのものが指定されているかをチェック。私の場合はBLASは正しいが、LAPACKとFFTは指定がなかった。普通はライブラリーの場所を指定してやればうまく選んでくれるはずだが、いつもうまく認知してくれない。仕方ないので直接
    > ./configure LAPACK_LIBS="/opt/intel/mkl/lib/intel64/libmkl_lapack95_lp64.a"
    続き 
    FFT_LIBS="/opt/intel/mkl/lib/intel64/libfftw3xf_intel.a"
    とライブラリーを直接指定してやる。これらを付けてconfigureしてから、make allした。makeはこの場合はスクリプトで、個々のプログラムをmakeできる。例えばmake pwだとpw.x(とそれに必要なプログラムも)がコンパイルされる。エラーは出なかった。

GIPAW 5.1のインストール

  • gipaw法もgunzip, tar xvfして、gipawのディレクトリーでconfigureするが、そのままではconfigureがうまく実行されない。READMEを読むと、configureでQE自体のmake.sysがあるディレクトリーを指定する必要がある。私の場合はホームディレクトリーでQE本体を解凍してインストールしているので、以下のように指定した。
    > ./configure --with-qe-source=$HOME/espresso-5.1.1
    > make
  • これで正常にconfigureが実行され、makeができる。makeではQE本体のmake.sysが使われるので、QE本体のコンパイル時に使った複雑なconfigureオプションを付ける必要はない。makeでエラーは出なかった。gipaw.xはespresso5.1.1/binへコピーした。

擬ポテンシャルのダウンロード

  • QE本体には擬ポテンシャルが数個しか付属していないので、擬ポテンシャルは別途ダウンロードする必要がある(これが最初のインストールでなければ、古いQEのディレクトリーからコピーすればよい)。QE本家サイトやそれ以外にも公開しているサイトがあるので、それらからダウンロードする。近似方法(GGA, LDA,ハイブリット)や擬ポテンシャルの形式(ultrasoft, NC, pawなど)等で色々と種類がある。計算に必要なものをダウンロードする。無機結晶(遷移金属、希土類を含まない)なら、pbeまたはpbesol(GGA近似)でまず始めたらいいと思う。なおgipaw計算ではgipaw用の擬ポテンシャルが必要である。以前はgipaw用のものは必要な元素がないので自分で何とか作っていたが(作るプログラムもQEに用意されている(ld1.x))、最近はネット上で手に入るようになってきた。gipaw+pseudopotentialでgoogleすると見つかる。

実行

  • ちゃんとインストールされていると、適当な入力ファイルtest.inを使って、
    > mpirun -np 4 pw.x < test.in > test.out &
  • などとしてテストした。正常に計算が終了した。適当なテスト入力データのない方はQEをMac+インテルコンパイラでにSiO2高圧相のscf計算用入力ファイルがあるので、それをコピーして使ってください。なお、pseudo_dir='../pseudo'には自分の環境でpseudopotentialを置いているディレクトリーを指定する。また、Si,Oのpseudopotentialを以下の行で指定しているが、それらが先のディレクトリー内にないとエラーとなるので、存在するものに書き換える。
    Si  28.086    Si.pbe-n-van.UPF
    O   15.9994   O.pbe-van_ak.UPF
  • 先の実行では4つのコアを使った計算が始まる。topコマンドを使うと、pw.xが4つ並列で動いていることが確認できる。pw.xは最も基本の電子状態計算の実行ファイルで、scf計算や構造の最適化などができる。-np 4は使うコア数を指定している。pw.xが存在しないとエラーが出るのはパスに登録されていないから。$HOME/espresso-5.1.1/binを.bashrcのパスに追加する。よくあるエラーは擬ポテンシャルの場所や名前の間違いである。計算中はtail -f test.outで計算結果をモニターできる。使うコア数を変えて、計算時間がどう違うかテストしてみるのもいい。計算時間はtest.outの最後の部分に出ている。
  • Macbook AirやiPadのアプリからsshでログインして計算している。iPadは計算状況のチェック用か、既に作っている入力ファイルを使って計算を始める程度の用途。ログアウト後しばらくすると計算が止まる。ログアウト後も長時間計算させたい場合はnohupをコマンドの前につける。Fedora13の時はこれでも止まらずatを使うようにしていたが、Fedora20ではnohupが効くようになっていた。一方atが以前のように動かない...
  • 計算状況を常時モニターしたい場合は、tail -f test.outとする。-fはファイルに更新があった場合に表示を更新するオプションで非常に便利。

よく使う単位の変換

  • 長さ: 1 au = 0.5291772 Ang. QEで使う長さの単位はauです。
  • 圧力:1 GPa = 0.0004587425 Ry/Ang^3 これは高圧下のエンタルピーを計算する際のPV項のために必要です。なお、Quantum-Espressoの出力のエンタルピーにはPV項は既に入ってます。

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Last-modified: 2014-11-18 (火) 18:14:32 (1099d)