#author("2018-06-29T10:37:49+09:00","default:masami","masami")
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#author("2018-06-29T18:40:18+09:00","default:masami","masami")
*熱水合成装置 (神崎 first 2006/09/05,  last revised 2018/06/29)) [#obf31c3d]
CENTER:&ref(http://www.misasa.okayama-u.ac.jp/~masami/images/cold_seal2.png);
CENTER:2018年6月13日の状況(第3研究棟移動後)
CENTER:&ref(http://www.misasa.okayama-u.ac.jp/~masami/images/coldseal3.png);
CENTER:2018年6月末の状況(第3研究棟移動後)
- &color(red,white){注意:高圧高温の流体を扱うため危険ですので,使用したい方は神崎までご連絡下さい};
**由来 [#ve38e832]
-私の研究で必要だったので、2006年8月最後の週に、退官した先生の遺物を第2研究棟 5F倉庫に移動して、リストアしました。熱水合成装置は卒論では使っていたので、それ以来26年ぶりくらいです。2台分を用意してます。まず、古い温度コントローラーと電気炉を交換しました。温度コントローラーはオムロンの温度コントローラーを使った、自作のもの。電気炉の1つはヘタれた1100 ˚C用管状ヒーター電気炉を再利用。もう1つは、管状ヒーターユニットだけ既製品で、それ以外を自作したものです。クロージャーナットの部分が熱くなるので冷却用のファンをつけてます。
-2018年6月10日に、これまでの第2研究棟倉庫から、第3研究棟3F実験室に装置を移動しました。環境は倉庫よりはましになったが、この部屋もエアコンはない。上記の写真を現在のものに更新。移動による配管の緩みがないか、リークテストしているところ。問題なさそう。
-2018年6月29日:透明ポリカーボネート板を買って、装置前面に取り付けられるようにしました。圧力をかけている場合に取り付けます。現在、1つ炉を使って実験中。漏れもなく順調。
**装置概要 [#zc30baf2]
-これはいわゆる熱水合成(hydrothermal)装置です。水熱合成とも呼ぶ。英語ではcold sealとも呼ばれます。常用圧力は1 kbですが、圧力計は2 kbまでなので、もう少し圧力をあげられます (1.5 kbくらいまでは一度使ったことがある)。最高温度は600 ˚Cくらい。貴金属管に試料を水とともにsealして,長時間保持することができます。一般に鉱物の合成や相平衡実験などに使います。私は含水鉱物(無機化合物)を作ったり、同位体濃縮試料の合成などに使用してます。長時間の保持(停電さえなければ1年でも)が可能です。
-現在内径8mmのvesselがいくつかあります。4mm径試料なら2本同時に入ります。
-電気炉(No.1)は1000 ˚Cまで到達しなくなったバテた炉を使ってます。それでも700 ˚Cくらいなら問題なく上がるので、熱水合成には問題なし。制御は自作の温度コントローラー(別項参照)。熱電対はN型を使ってます。
- 後からファンを付けて、cold seal部の温度を下げるようにしました。
**標準的な使い方: [#yf63d4c7]
-電気炉を希望の温度に設定する。温度到達を待つ。なお熱電対は電気炉側に付いているので,試料位置を熱電対位置まで持って行く必要がある。
-試料高さを測って,試料中心を電気炉の中心にするためにはvesselをどの位置まで入れるとよいかを計算し,その位置をvesselにマークしておく。一番右(1号)の場合,位置は177mm+試料高さ/2である。電気炉によって異なる。
-試料をvesselに入れる。Niのfiller rodを入れる。filler rodは実際に高圧状態となる水の量を少なくするために使う。安全対策の一環。vesselを万力に固定し,クロージャーナットをモンキースパナを使って締める。万力なしで、モンキースパナ2個でも締められる。ロックナットの位置に注意。それを高圧配管にモンキースパナ2個で取り付ける。
-排水用のバルブ(一番左側)を閉める。使用するvesselのバルブを開ける(既に他方が使用中の場合は,そちらの圧力を変えないようにバルブ操作は慎重に)。ポンプで加圧する。温度で圧力も上がるので1 kbまであげる必要はないが,リークがあるかどうか見るためにも1度1kb(または最終予定圧)まで上げて見る。バルブを閉じる。排水用バルブをゆっくり開けて,配管内の圧力を落とす。
-もし圧力がすぐ落ちるようなら,一度圧力を抜き,再度ロックナット及び取り付け時の締め加減を調整する。漏れが多い場合は、水がナット等から漏れ出てくるはずなので,漏れる場所を特定できる。漏れているところを少し増し締めする。一般にこの種の装置では、力任せに締めることは厳禁です。
-電気炉をvesselの真下にもってくる。電気炉はラボジャッキの上に載っているので,レンチでジャッキを上昇させてマークした位置で止める。レンチはラチェットになっているので、反対方向に動かす時は、レンチを反転する。熱電対をvesselに接触するように動かす。ファンをONにする。
-圧力が少しづつあがってくるので1 kb以上(または実験圧)になったらバルブをゆっくり開けて希望圧力にする。開けるときは長い棒をバルブ穴につけて廻す。長い棒がある方が、細かい調整ができるために使うが,閉める時には棒を使うと力がかかりすぎるので,閉める時に棒は絶対使わないこと。手で直接バルブハンドルを握って閉める。
-圧力を下げすぎた時は排水用バルブを閉めて,ポンプで圧力をあげる。バルブを開けて,圧力を希望圧力にする。バルブを閉じる。排水用バルブをゆっくり開けて,メインの配管内の圧力を落とす。
-加熱始めてから数時間は時々圧力をチェックする。外気温変動などにより10barくらいは変動するようである(エアコンもなく…)。
-終了する時は,電気炉をラボジャッキで下げて,vesselを電気炉から出す。ある程度冷えるのを待つ。バルブをゆっくり開けて圧力を抜く。急ぐなら耐熱用グローブをして,高圧配管から外す。必要なら水で冷却する。この辺りの手順は実験内容によって変える必要があるだろう。
-クロージャーナットを外して,filler rodを取り出して,試料を回収する。電気炉を切る。
-事故防止用のフェースカバーを用意してます。加圧中・作業時は使うこと。
-Niのfiller rodを用意してあります。Tiもありますが,棒がちょうど8mmなので少し削る必要があります。
-今のところ急冷する手段がありません。コンプレッサーを買ってあるので、エアーをvesselに当てることは可能ですが,あまり冷却速度は上がらないようです。電気炉から出してすぐ水に直接つけるのはvesselの寿命を短くするのでやめてください。爆発した例が"Hydrothermal Experimental Techniques" Ed. Ulmer and Barnes, Wiley-Interscienceに書いてあります。
-使ったら、記録用ノートに記載する
- この装置を使った論文
-- X. Xue and M. Kanzaki, High-Pressure delta-Al(OH)SUB{SIZE(9){3}} and delta-AlOOH Phases and Isostructural Hydroxides/Oxyhydroxides: New Structural Insights from High-Resolution SUP{SIZE(9){1}}H and SUP{SIZE(9){27}}Al NMR, Journal of Physical Chemistry B, 111, 13156-13166, 2007. (InOOHなど作るのに使った)
--Xue, X. and Kanzaki, M., Proton distributions and hydrogen bonding in crystalline and glassy hydrous silicates and related inorganic materials: Insights from high-resolution solid-state nuclear magnetic resonance spectroscopy, J. Am. Ceramic. Soc., 92 (12), 2803-2830, 2009.



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