粉末X線回折データを使って構造解析する方法についてのメモ.Mac OSXで使えるソフトがメイン.SDPDとはstructure determination by powder diffractometry (or data)のこと.
*Foxについて (Foxは実空間のモンテカルロ法によって初期構造を求めるプログラムです) [#k12cc84f]
-Foxは初期構造を求めるためのプログラムです.Sourceforgeからプログラムをダウンロード可能です.Mac用はユニバーサルバイナリーになってます.Windows, Linux用もあります.簡単な構造だと古いPowerbookでも動きます.構造が複雑になってくるとちょっと遅くて苦しい.
-結晶構造,回折パターン等全てがオブジェクト化されてます.そこがFoxの特徴です.ユーザーは気にする必要はないと思いますが.
-多面体等を入力できるのでケイ酸塩の構造解析には最適です.我々の場合,NMR装置があるので,そちらから配位多面体の情報が直ちに得られます.その情報をうまく活かすことができます.
-indexingも可能です.Dicvolを使ってます.ただ必ずしもうまく見つけてくれません.また低対称性でひどく時間がかかる場合があります.ピークのリストを出力出来るので,それを使ってN-TREORなど別のプログラムで確認した方がいいでしょう.なおKalpha2のピークも混ざっているので,TREORで処理する場合には取り除く必要があります.
-indexing, 空間群探索,Le Bail法も使えて,結構総合的なソフトとなってます.Rietveld法はできません.粉末X線データのみがあれば,計算が始められます.indexingはDicvolを使ってます.ただ必ずしもうまく見つけてくれません.また低対称性でひどく時間がかかる場合があります.ピークのリストをテキスト出力出来るので,それを使ってTREORなど別のプログラムで確認した方がいいでしょう.なおKalpha2のピークも混ざっているので,TREORで処理する場合には取り除く必要があります.これはテキストファイルに出力して編集すればいいのですが,Powder Patternのwindowで余分なピークをRemove peakで削除してもOKです.
-Le Bail法によるパターンフィッテングが可能です.今のところpseudo-voigtのみ使えます。Le Bailの結果はセーブすると作られるxmlファイルの中にあります.
-空間群の推定ができます.これは可能な空間群についてLe Bail法を使ってRwp, GoFを計算しているようです.GoFの小さい順で候補が表示される.対称性にもよるが,これには時間がかかります.必ずしもリストの1番が正解とは限りません.
-よい粉末回折データがあれば,Foxだけでindexing, 空間群推定,Le Bail法による格子常数やプロファイルパラメーターの最適化,フーリエ合成,そして本命の初期構造をParallel Tempering法で決めることまでできます.ただ最終的な精密化には別にRietveld法プログラムを使う必要があります.出力はFullprof用だけのようです.
-MacでFoxを使っているとしばしば異常終了する時があります.そのためデータはこまめにセーブする必要があります.
-粉末回折データの入力フォーマットに関する情報が見つかりませんでした.Fullprofのフォーマット等いくつかは用意されてます.ExampleはFullprofのフォーマットのようです.私は手持ちのデータ等(マックサイエンスやSPring-8で取ったもの)をFullprofのフォーマットに変換して試してます.
*Foxを評価するために既存の粉末強度データで遊んでみる [#k105bc58]
-PbSO4: まずはFox付属のチュートリアルにあるPbSO4で試す.
--チュートリアル通りだと中性子とX線データを同時に使うが,X線データだけでやってみた.回折データを読む時はFullprofフォーマットで読む.なお中性子のデータは1番最初のフォーマットを使う.それ以外だとフリーズする.チュートリアル通りで正しい構造が得られた.
-PbSO4 (マニュアルにPbSO4のチュートリアルがありますが,格子常数と空間群は天下り的に与えられています.ここではそれらも含めて計算してます.中性子データは使わない.)
--まず新しいcrystal objectを作る.ObjectsメニューからNew Crystalを.とりあえず名前以外はそのまま.
--新しいPowder_Pattern objectを作る.ObjectsメニューからNew Powderpatternを.Dataボタンを押して,付属の粉末X線強度データを読み込む.Patternボタンでパターンを表示させる.正常に表示出来ない時はフォーマットがおかしい.RadiationをCuKa12に選択,PhasesボタンからAdd Backgroundでバックグランドを引く.ここでついでにPhasesボタンからAdd Crystalline Phaseでcrystal objectで定義したものを追加する.
--Powder Patternのwindowで右クリックで出てくるメニューからFind peaksを選ぶ.ピークにd値が表示される.拡大表示してよく見る.ピークのリストはSave peaksでファイルに書き出すことが出来る.
--次に右クリックでIndex!を選ぶ.デフォルトではQuickである.Find Cell!ボタンをクリック.PbSO4の場合,1つだけscoreの高いorthorhombicの候補が出てくる.これは正しい.上のChoose crystal to apply selected cell ...のボタンをクリック.さらにAutomatic Profile Fittingのチェックを入れるとLe Bail法でfittingを行う.GoF, Rwpをチェック.今見つかった格子常数がcrystal objectに自動的に設定されている.空間群も設定されているが,これはこのセルに対応したものが適当に入っているだけである.
--パターンのところで右クリックして,Fit profile and Le Bail extractionを選ぶ.ここでQuick FitタブでボタンをクリックするとまたLe Bail法が始まる.Spacegroup Explorerタブを選択して,ボタンを押すと空間群の探索が始まる.得られたリストではP21cn, P21/c, Pmcnと続く.格子はorthoなのでorthoの中で最も良いのはPmcnであり,これは実際に正しい空間群である(チュートリアルで出ているPnmaとは軸の取り方が異なるだけ).Crystalsのところでこの空間群を入力する.フーリエ合成で使うので,この空間群について,Quick FitでLe Bailを1度はやっておく.
--Z=4と推定される.一般位置は8個なので,Pb,Sともに特殊位置にある.どちらも1サイトのみとして,位置に拘束つけずにまず計算してみる.
--ScatterersでAdd Atomic Scattering PowerでPb, S, Oをまず設定.そしてPbを1個Add atomで1つ定義し,SO4もAdd Tetrahedronで1つ定義.S-O距離は1.5とする.
--Global OptimizationでNew Monte-Carlo Objectを追加.ここでOptimized objectとして,定義済みのcrystalとpowerpatternオブジェクトを追加.これでRun/StopからMultiple Runsを選ぶ.すぐにChi^2, Rwpが下がる.Pb, Sの座標を見るとxは1/4の特殊位置であるように見える.1/4で固定(チェックを外)して計算する.酸素が余分にあったりするが,そこは無視.基本的に解けている.
--3D Displayで右クリックして,観測強度によるフーリエマップ,または差フーリエマップを描かせて,原子位置と電子分布が一致していることを確認.Optimizationの時に表示させておくと便利.
--CrystalsでFileからCIFファイルを出力.VESTAで眺める.もし余分な酸素が残っているなら取り除く.特殊位置からずれていることで1つの原子が複数に分離していることもあるので,座標値をよくチェックする.必要ならこの座標を元にして,Foxで全ての原子をatomとして,Limitを付けておいて再計算することもできる.またはRietveld法でさらにrefineする.
-ZrO2 (もう少し丁寧に書き直しました)
--まず新しいcrystal objectを作る.ObjectsメニューからNew Crystalを.とりあえず名前以外はそのまま.
--新しいPowder_Pattern objectを作る.ObjectsメニューからNew Powderpatternを.Dataボタンを押して,Le Bailさんのところからdlした粉末強度データを読み込む.Patternボタンでパターンを表示させる.正常に表示出来ない時はフォーマットがおかしい.RadiationをCuKa12に選択,PhasesボタンからAdd Backgroundでバックグランドを引く.ここでついでにPhasesボタンからAdd Crystalline Phaseでcrystal objectで定義したものを追加する.
--Powder Patternのwindowで右クリックで出てくるメニューからFind peaksを選ぶ.ピークにd値が表示される.拡大表示してよく見て,ピークとして認識されてない場合はその部分で右クリックして出てくるメニューでAdd peakを選ぶ.逆に不純物相によるピークを除くにはその位置で,右クリックして出てくるメニューでRemove peakを選ぶ.ピークのリストはSave peaksでファイルに書き出すことが出来る.
--次に右クリックでIndex!を選ぶ.デフォルトではQuickである.Find Cell!ボタンをクリック.Figure of Meritの順で出てくる.この場合は正しくmonoclinicで指数付けされていた.上のChoose crystal to apply selected cell ...のボタンをクリック.さらにAutomatic Profile Fittingのチェックを入れるとLe Bail法でfittingを行う.refineされた格子常数がcrystal objectで設定される.これを行ってGoFなどが小さくなっているかをチェックすると,間違ったindexingを判定できる.
--またピークには指数が付いているはずである.沢山あってピーク自体が見づらい時は,Hide peaksで消す.
--パターンのところで右クリックして,Fit profile and Le Bail extractionを選ぶ.ここでQuick FitタブでボタンをクリックするとまたLe Bail法が始まる.Spacegroup Explorerタブを選択して,ボタンを押すと空間群の探索が始まる(時間がかかるが).この場合,P21/cがGoFが最小となった.これは正しい空間群である.Crystalsのところでこの空間群を入力する.
--ZrO2は配位数が6よりも高いので多面体をscattererとして使うことはやめておく.
--密度からZ=4と推定される.ZrがOよりもはるかに重いので,まずZrのみ考える.Zrはセル内に4個あるが,一般座標が4eなので,Zrは単一サイトで一般位置である可能性をまずチェック.
--Zrを1個add atomで追加し,座標には制約付けずにoptimizeする.すぐ収束して,FobsのフーリエマップとZrの位置が一致している.したがってZrは一般位置にあると分かる.Zrはこの位置に固定する.
--Oは8個あるので,2つの一般座標4e位置を占めているとまず仮定して,2つのOを追加.どちらも制約なし.
--これでoptimizeするとすぐにRwpが下がる.フーリエマップを見て,正しいことを確認.
--構造ディスプレイにFobsのフーリエ合成や差フーリエマップを原子に重ねて表示させておいて,optimizeするとマップも更新されるので構造が解けたかどうか分かりやすい.	
--3D Display windowにFobsのフーリエ合成や差フーリエマップを原子に重ねて表示させておいて,optimizeするとマップも更新されるので構造が解けたかどうか分かりやすい.	
-Cr2O3
--上記同様.
--indexingでQuickだとmonoclinicが多数出てくるが,明らかに正しくない.Advancedのところでhexagonalで試行錯誤するとやっとhexagonal (rhombohedral)の正しいセルが表示される.
--indexingでQuickだとmonoclinicが多数出てくるが,明らかに正しくない.Advancedのところでhexagonalで試行錯誤するとやっとhexagonal (rhombohedral)の正しいセルが表示される.Advancedではセルの大きさ(3が最小だが酸化物ではしばしば2.7-2.8くらいもありうる),spurious peakの数(1-2), 表示するscoreをもっと小さくする,などのパラメータを変えて計算させるといいようである.しばしば異常に計算に長い時間がかかることがあるので,ここで計算する前にデータをセーブしておいた方がよい.
--空間群の探索をさせるとR3cとR-3cが同じ値で1番にリストされた.
--密度からZ=6と推定される.簡単な構造なので,1)Cr,Oを原子として扱う,2)CrO6として扱うの2つのやり方が考えられる.
--まず原子として扱う方から試す.CrとOを1つづつ入れる.R3cでは収束しないが,R-3cならすぐ収束する.
--CrO6八面体として扱ってもR3cはダメで,R-3cだとすぐ正しい構造に収束する.
-Al2O3
--上記同様.データはLe Bailさんのところから.
--Le Bail法で問題あり.ここで尺度因子がおかしいのかfittingが明らかに変になる.計算されたパターンの強度が異常に低く,そのためRwpなども悪い.manualで尺度因子をいじってもだめ.何度最初からやってもダメ.先に進めず.構造的には上記Cr2O3と同じなのだが.マニュアルではPatternのところからScaleを更新できるとあるが,これもダメだった.別のAl2O3のデータと比べると強度比がかなり異なる.そちらのデータでは問題が起こらなかったので,データ自体に問題か.
-calcite
--まず粉末強度データを読み込んで,管球をCuKa12に選択,バックグランドを引く.
--パターンを表示させる.右クリックでピークサーチ,次にindexingする.うまくindexできない.ピークのリストをファイルに出力して,TREORでindexingする.なおこのファイルにはKalpha2も拾われているので,それらは除いておく必要がある.Patternを拡大して,よく見ながらKalpha2や明らかにおかしいピークは除く.TREORではhexagonal (rhombohedral cell)でうまくindexingできた.
--空間群の探索をさせるとR3cとR-3cが同値で1番であった.
--密度からZ=6.R-3cの場合,CaとCが000, 001/4の特殊位置のどちらかを占める.Ca=0 0 0, C=0 0 1/4でまあまあRwpは下がる.R3cの場合,Ca, Cは00zを占めることになるが,RwpはR-3cよりも悪い.
-F-apatite (Ca5P3O12F): これはRIETAN付属のデータを使った.
--Fullprofのフォーマットに変換した粉末強度データを読み込んで,管球をCuKa12に選択,バックグランドを引く.
--パターンを表示させる.右クリックでピークサーチ,次にindexingする.Quickではorthoとhexagonalの2つの候補が出てくる.TREORではhexagonalのみがヒット.これはFoxの2番目の候補と同じ.これが正しい.
--Crystals objectでapatite結晶を定義する.
--空間群の探索をさせると,あまり差がつかずに並んでいる.上から順番に試していくしかない.実際の空間群は3番目のP63/mであった(これは2thetaをどこまで使っているかなどに依存する).
--Z=2と推定される.Caはセル内に10個あるが,P63/mの場合,一般位置は12個なので一般位置には入れられない.2種以上の特殊位置にいると推定できる.一方Pはセル内に6個あるので,1種類以上の特殊位置にいると考えられる.
--P63/mとして,とりあえずCaを2席,PO4を1席で計算してみる.どれも一般位置にしておく.またantibumpも指定しておくと素早く収束するようになる.ただしまだFを入れてないので,Rwp等は小さくならないのでそちらからは判定できない.Fo, Fo-Fcのフーリエマップからはこの構造が正しそうなことが分かる.またFo-Fcマップから計算に入れていないFの位置がわかる.その位置からFの特殊位置が決まる.そこにFを固定して,さらに計算するとRwpがかなり下がった.
--P63/m以外の空間群で試してみたが,解は見つからない.
--最初からCaを2席,PO4を1席, Fを1席で計算してみると,P63/mですぐに収束した.antibumpを使っている.使わないと収束しない.
--P63/mとして,とりあえずCaを2席,PO4を1席で計算してみる.どれも一般位置にしておく.またantibumpも指定しておくと素早く収束するようになる.ただしまだFを入れてないので,Rwp等は小さくならないのでそちらからは判定できない.Fo, Fo-Fcのフーリエマップからはこの構造が正しそうなことが分かる.またFo-Fcマップから計算に入れていないFの位置がわかる.その位置からFの特殊位置の内どれかが決まる.そこにFを固定して,さらに計算するとRwpがかなり下がった.
--P63/m以外の空間群で試してみたが,GoFの低いものは見つからない.
--最初からCaを2席,PO4を1席, Fを1席で座標を拘束せずに計算してみると,P63/mですぐに収束した.antibumpを使っている.使わないと収束しなかった.

-t-AlF3:4つAlの席があるのでこれまでよりも手強い.全て6配位.これの粉末X線データからの構造解析論文はLe Bailら, J. Solid State Chem., 100, 151-159, 1992.
--Le Bailさんのところからdlした粉末強度データを読み込んで,管球をCuKa12に選択,バックグランドを引く.
--パターンを表示させる.右クリックでピークサーチ,次にindexingする.Quickでは沢山候補が出てくる.
--ピークサーチしたリストをテキスト出力して,TREORを使ってindexingする.この相はピークがブロードなのでKa2が含まれてない.TREORでは直ちにFigure of meritの高い確実な解が得られた.tetragonal.Foxではtetragonal指定してやるとこれも出てくるが,3〜4番目.indexingはやはり複数のプログラムでチェックしないといけない.
--Crystalsでt-AlF3結晶を定義する.空間群にはとりあえずP4を入れておく.指数付けで決まった格子常数をCrystalsで設定する.
--空間群の探索をさせると,時間がかかるがP4/nmmのGoFが最小となった.これは正しい空間群である.
--密度からZ=16と推定される.Alはセル内に16個あるが,一般座標が16個なので,Alは単一サイトで一般位置にある可能性をまずチェック.AlF6の八面体を1個add octahedronで追加し,座標には制約付けずにoptimizeする.全く収束しない.
--八面体を増やしていくが,あまり芳しくない.そのためAlの席が4つであると知っているとして,以下続ける.なお指数に合わない不純物と思えるピークが1つあった.この領域を計算から除外する.
--座標に制約を与える.4つの席があると,それらは特殊位置を占めることになるので,1〜2個を特殊位置の制約を付けて,その他の席には制約を与えずに計算をしてみる.International table Vol.AのP4/nmmを見ると,どれかの席がx=1/4である可能性が高い.x=1/4を2つの席に制約として使う場合と,x=1/4, y=1/4を1つの席に制約として使った場合に,GoFが構造が解けたというほどではないが,結構下がる配置が見つかる.この配置はこのような制約を付けて計算している時に何度も現われた.これの差フーリエマップを見ると,1つだけ大きな山がx=1/4,y=1/4, z=~0.4に残っている.その周りにはFがあり,本来Alのいるべき位置と推定される.さらによく見ると2つのAlF6が1つの位置で重なっている.そこで重なっている1つを1/4, 1/4, ~0.4に置いてzは固定せずさらに計算すると正しい構造が得られた.実は1/4, 1/4, zという特殊位置に2種のAlが入るのであるが,これがうまく探索されていないようである.
--座標を全く拘束せずに収束させることができないか,anti-bump(近接を防ぐペナルティ)をコスト関数に入れてみたが,今のところ成功してない.ただ長い計算をやっていないので解けなかったとは言えない.
--座標に制約を与える.4つの席があると,それらは特殊位置を占めることになるので,1〜2個を特殊位置の制約を付けて,その他の席には制約を与えずに計算をしてみる.International table Vol.AのP4/nmmを見ると,どれかの席がx=1/4である可能性が高い.x=1/4を2つの席に制約として使う場合と,x=1/4, y=1/4を1つの席に制約として使った場合に,GoFが構造が解けたというほどではないが,結構下がる配置が見つかる.この配置はこのような制約を付けて計算している時に何度も現われた.これの差フーリエマップを見ると,1つだけ大きな山がx=1/4,y=1/4, z=~0.4に残っている.その周りにはFが6個あり,本来Alのいるべき位置と推定される.さらによく見ると2つのAlF6が1つの位置で重なっている.そこで重なっている1つを1/4, 1/4, ~0.4に置いてzは固定せずさらに計算するとGoFが下がって,正しい構造が得られた.実は1/4, 1/4, zという特殊位置に2種のAlが入るのであるが,これがうまく探索されていないようである.
--座標を全く拘束せずに収束させることができないか,anti-bump(近接を防ぐペナルティ)をコスト関数に入れてみたが,今のところ成功してない.
-未知構造
--手元にある未知構造物質2種をFoxでindexingから初期構造決定まで試してみた.まだ未発表なので,詳しいことは書けない.放射光X線+デバイ・シェラーカメラのデータを使っている.2日ほど苦闘して,どちらも構造を解く事ができた.ただNMRから陽イオン多面体の席数と量比は事前に分かっていた.この情報があると可能な空間群に制約が与えられたり,特殊位置に入るべきだとかが分かる.

-Foxのコツ.ちょっと使っただけですが...
--(Foxに限らないが)indexingは注意してやらないといけない.他のプログラムも使って確定しないと無駄な努力をすることになる.TREORの場合はかならず出力データを丹念に読む必要がある.
-Foxの注意点.ちょっと使っただけですが...
--(Foxに限らないが)indexingは注意してやらないといけない.他のプログラムも使って確定しないと無駄な努力をすることになる.TREORの場合はかならず出力データを丹念に読む必要がある.しばしばターミナル表示ではなく,詳細な出力ファイルの中で正解が見つかることがある.
--目の前で計算させていると,色々パラメータをいじったりして,結果的に短い計算となり収束しないことが多かった.ある程度パラメーターを決めたら,単純に沢山計算をやらせた方が早く解が得られるようである.
--ある原子ー原子ペアが近づきすぎる時はantibumpを利用する.まず取り得ない原子間距離を各ペアについて入力しておく.それより短くなるとペナルティが発生する.antibumpのスケールを適当にいじって,antibumpがコスト関数に十分反映されるようにする.なおantibumpの設定はScatterersメニューの中の"Show Scattering Powers Parameters Window"から行う.
--5配位が予想される時は(5配位に対応する多面体はないので),とりあえず八面体で計算する.多面体が3次元的に繋がっているような構造では,5配位部分の八面体は取り除いて,そのかわり中心元素を単独の元素として扱う.八面体の時の座標を初期値としてlimitを付けて最適化する.
--ある原子ー原子ペアが近づきすぎる時はantibumpを利用する.まず取り得ない原子間距離を各ペアについて入力しておく.それより短くなるとペナルティが発生する.antibumpのスケールを適当にいじって,antibumpがコスト関数に十分反映されるようにする.なおantibumpの設定はScatterersメニューの中の"Show Scattering Powers Parameters Window"から行う.ここでは3D Displayの原子の色も指定できる.別元素が同じ色で見づらいときは,ここで変える.
--5配位が予想される時は(5配位に対応する多面体はないので),とりあえず八面体で計算する.多面体が3次元的に繋がっているような構造では,5配位部分の八面体は取り除いて,そのかわり中心元素を単独の元素として扱う.八面体の時の座標を初期値としてLimitを付けて最適化する.
--それらしい構造が得られたら,CIFファイルとして出力し,Vestaで読み込む.酸素などマージしてなくて,重複しているやつは取り除く.構造を眺めてよさそうなら,陽イオン位置にlimitを付けて,さらに計算してみる.酸素(または陰イオン)の数に注意.数がZから予想されるよりも多い場合には余分な酸素がまだ残っている.うまく計算がいくと,重複している酸素等は自動的にマージされて,消えて行くはず.
--(Macの場合しか知りませんが)Limitの入力の仕方が分かりづらい.マニュアル(foxwiki)には文字のところで右クリックすると書いてあるのだがそれではダメ.値を入力するボックスの境界上で右マウスボタンをクリックするとlimit入力のダイアログが出てくる.ボックスの中を右クリックしてもダメ.
--Mac版しか使ってませんが,時々落ちます.こまめにセーブする必要があります.
--保存した時に出来るxmlファイルにはLe Bail法で求めた各指数の強度のデータが入っている.取り出してSuperflipで使うことが出来た.ただあまりフィッテングがよくなかったのか,Superflip自体の結果は芳しくなかった.
--保存した時に出来るxmlファイルにはLe Bail法で求めた各指数の強度のデータが入っている.取り出してSuperflipで使うことが出来た.ただ使ったデータではフィッテングがよくなかったのか,Superflip自体の結果は芳しくなかった.
--Profile Fittingのwindowは終わったら閉じる.そのまま置いておくと,optimizeする時にTracked dataの表示がおかしくなったりする.
--Global Optimizationの"Number of Runs to perform"はMultiple Runsの時にカウントダウンしていき,0になると計算が停まる.ここが最初から0になっていると計算が行われない.マイナスだといつまでも計算することになる.
--max sin(theta)/lambdaを大きくした時に,延長された部分のバックグラウンドがおかしくなることがある.この場合はPowder Diffraction --> Powder Pattern ComponetsのObjectボタンでバックグラウンドの再計算ができる.
*FullprofのMac版インストール [#m6f44236]
-こちらはRietveld解析用のソフトです.FoxがFullprof用のファイルしか出力しないので,Fullprofも試してみようと本家のHPを見るとGUIを使ったMac版も置いてありました.X Windowが必須です(Mac OSXのインストールDVDに入ってます).早速試してみましたが,GUI使ってないものはターミナルで問題なく動きますが,GUI版ではエラーが出ます./usr/OpenMotif-2.1.32-22i/lib/libXm3.dylibがないのが原因のようです.OpenMotifをインストールする必要があります.
-最初Macportsを使ってOpenmotifのインストールを行いましたが,libXm4がインストールされて,これではダメでした.Finkでインストールすると,libXm3.dylibがインストールされてました.ただこれらはそれぞれ/optや/swなどのディレクトリーに入っているので,ln -s で/usr/OpenMotif-2.1.32-22i/lib/libXm3.dylibにリンクします(エイリアスを作る).これでGUI版も動くようになりました.あまりGUI版の説明がないのですが,tfpというのがWindows上にあるFP Suite TBに対応するようです.実行するとtoolbarが出てきます.ここからFullprof, Dicvol,TREOR, Winplotr-2006などが起動できる.
*Expo2004をMacで動かす [#o0770842]
-Fox, Superflip, FullprofがMacで使えるなら,直接法のExpo2004もMacで動かしたくなります.Mac版はありませんから,Bootcampを使ったり,VMware Fusionなどを使ってMac上で動作させることは可能です.しかしそれではWindowsのインストールは必須だし,重かったりするので,Darwineを試してみました.LinuxでWindowsアプリケーションを使うためのWineという環境がありますが,それのMac版です.
-早速Darwineをインストールする.これもX Windowを利用している.Expo2004を使ってみると,起動しますが一部ダイアログのボタン文字が消えてしまいます.またメニュー下のツールバーアイコンなども消えてます.アイコンは見えないのだが,マウスをその上に置くと,その内容は表示されます.サンプルデータを読み込んでやると計算自体は特に速度も落ちず,Windows版同様に動いていてました.計算とメインウインドウ内の表示は問題なく出来ている感じ.いくつかDarwineのフォント設定などを変えて試してみましたが,未だボタンの文字などを表示させることには成功してません.本当のWidnows上で慣れていれば,ボタン文字(多くの場合OK/Cancel)が見えなくても使えるかもしれませんが,全く初めてだとちょっと難しいでしょう.
*Superflip (Charge flipping法) [#k2814d35]
-[[Superflip用対称性データ]] Superflipの入力ファイルに必要な対称操作をまとめたもの.


トップ   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS