#author("2018-07-21T09:30:33+09:00","default:masami","masami")
#author("2019-01-08T17:40:51+09:00","default:masami","masami")
RIGHT:&ref(http://www.misasa.okayama-u.ac.jp/~masami/images/grants.jpeg);
*解説JMPS2018-2 [#udac6528]
-Kanzaki, M. (2018) Temperature-induced phase transition of AlPOSUB{SIZE(9){4}}-moganite studied by in-situ Raman spectroscopy, J. Mineral. Petrol. Sci., 113, advanced publication (https://doi.org/10.2465/jmps.171219 ) の日本語解説
**序 [#s71a8493]
-AlPOSUB{SIZE(9){4}}-moganite相は我々が以前発見した高圧相であるが、moganite(SiOSUB{SIZE(9){2}}の準安定相)と同様に温度誘起の相転移が予想される(石英のalpha/beta転移などと同様)。SiOSUB{SIZE(9){2}}-moganiteの場合は既に研究があるが、天然/合成共に純相を得ることが難しく、共存する石英相が邪魔となりためか、ソフトモードはこれまで観察されていない。一方、AlPOSUB{SIZE(9){4}}-moganite相はほぼ単相が得られるために、相転移を調べるには最適である。そこで、AlPOSUB{SIZE(9){4}}-moganite相の高温その場ラマン実験を行い、転移の振る舞いを調べた。
**方法 [#i7dd6e15]
-AlPOSUB{SIZE(9){4}}-moganiteは以前の研究で合成したものを使った。高温ラマン測定にはこのwikiでも紹介しているwire heaterを使った。今回の測定ではソフトモードを追いかけるために、低周波数領域(テラヘルツ領域)での測定が必要であるので、これもこのwikiで紹介している低周波数領域を測れる特殊なノッチフィルターなどをつけた自作顕微ラマン分光法装置(488 nm)を使った。
**結果と議論 [#rf9f3b00]
-実験の結果、ソフトモードと思われるラマン振動モードが観察され、温度と共に低周波数側に大きくシフトした。下の図で三角印がソフトモード。
CENTER:&ref(http://www.misasa.okayama-u.ac.jp/~masami/images/softmode1.png);
-ソフトモード周波数の温度依存性の解析から、転移温度は415 ˚C、臨界指数(beta)は0.232と決まったが、臨界指数は普通の相転移(1/2~1/3)よりもかなり低い。その理由はわからなかった。非常にブロードで分かりづらいが、高温相のソフトモードも観察された。
-また、ハードモードのいくつかもソフト化又はハード化しており、ソフトモードと同様の振る舞いをした。ただ、変化量が少ないため、ソフトモードと同様の臨界指数の解析では誤差が大きくなった。今回の場合はいいが、ソフトモードが観察できない場合は、ハードモードの解析が重要となる。
-第一原理DFT計算でソフトモードに対応する振動モードを計算したところ、AlOSUB{SIZE(9){4}}とPOSUB{SIZE(9){4}}四面体を回転させるモードが相転移に関連していることが分かった。これは既存のSiOSUB{SIZE(9){2}}-moganiteのX線回折による結果と一致する。高温相のソフトモードについても計算した。この場合、0 Kで振動計算しているので、動的不安定な構造を計算していることになり、虚数の振動数を持つモード(つまり復元力が働かない)が1つ計算された。これが高温相のソフトモードと予想され、その振動の変位が低温相への転移時の変位とよく一致した。
**謝辞 [#zae22ef2]
-本研究は、現在頂いている科研費を使って実施した。

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