微小部X線回折装置 の変更点


#author("2020-12-07T12:08:48+09:00","default:masami","masami")
*微小部X線回折計のページ(2014/11/7 created:2017/01/03 更新) [#af213da9]
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CENTER:&ref(http://www.misasa.okayama-u.ac.jp/~masami/images/RintRapidII.png);~
**微小部X線回折計の最新の状況 [#l753d567]
-(2019/10/09) 書くの忘れてましたが、ロータローポンプの老朽化で真空引きが遅かったり、エラーが出たりしたので、ロータリーポンプを新しいものと交換しました。交換作業は谷内さんがやってくれました。
-(2017/01/03) マニュアルをupdateしました。ユーザーがビーム位置を自分で確認する方法を追加してます。なお、「垂直ピンホール治具」が行方不明です。心当たりのある方は返却してください。
-(2016/12/28) その後の余震等でまたアライメントがずれていたようです。顕微鏡のクロスヘアー位置から 150ミクロンほど下側にビーム位置がありました(12/27)。もしこれ以前に測定していた場合には測定位置がかなりずれていた可能性があります。現在は調整してあります。
-(2016/10/24) 10/21の地震で光学系がずれたようで、試しに測定すると回折リングが全く出ませんでした。コリメーターと集光用ミラーの調整を行って、測定できる状態になってます。
-PDF-2のライセンス期間が切れたので、現在はQualX2プログラムとPOW_CODデータベースを使って同定を行っています。QualX2のエイリアスをデスクトップに置いてます。装置の出したデータファイルはQualX2では直接読めません。測定したらデータを.asc形式で保存してください。そのファイルをasc2datというアイコンにドラッグ&ドロップすると、.datファイルができます。これをQualX2から読んでください。[[QualX2]]については別項で書いてますので、参照してください。もし同定できない等の問題が生じましたら、測定データ、試料の組成、および予想される相の情報等を神崎まで送ってください。また、既知構造であれば、粉末パターンを計算することは極めて簡単ですので、必要な粉末パターンがあればお知らせ下さい。
**微小部X線回折計の紹介 [#qd08ba63]
-これは補正予算で導入されたリガクのRint Rapid II CMF-DWで、共用の装置です。設置場所は第2研究棟1階です。X線源は回転対陰極で、ビームを多層コーティングミラーで集光して、コリメータで絞って試料に照射する。試料からの回折線は円柱状に湾曲したイメージングプレート(IP)で記録する。デバイ・シェラーリングを積分して、1次元の回折パターンにする。コリメーターで最小直径10ミクロンまでビームを絞れるが、普通は100ミクロンのコリメーターを使っている。ターゲットはCuとMoの2つが選べる。ターゲットの切り替えはスイッチ1つで行える。ミラーはミラーユニットを90度回転することで切り替えられる(調整は必要)。この装置は高圧合成した試料や天然試料の相同定などに主に利用されている。微小な領域からX線回折パターンを取得することができる。数分で相同定には十分な強度が得られる。学外からの共同利用での使用も可能です(共同利用・共同研究拠点なので旅費も出ますが、共同利用申請が必要です)。神崎が管理してますので、何かあったらご連絡ください。
**使用マニュアル(2014/11月更新) [#z5ea1502]
-簡易マニュアル(pdf)を作ってます。実験室で見つからない場合はここからダウンロードして下さい。これはあくまで簡易マニュアルで、より詳しいことは制御用PC内に各種マニュアルpdfがあるので、そちらを参照してください。ただ、導入した時にはかなり新しい構成だったので、マニュアルが完全に対応してません。疑問点は神崎に尋ねてください。
-日本語版(PDF)は[[ここ:http://www.misasa.okayama-u.ac.jp/~masami/pdfs/RINT-RAPID-II-manJ.pdf]].
-English manual (pdf) is [[here:http://www.misasa.okayama-u.ac.jp/~masami/pdfs/RINT-RAPID-II-man.pdf]].
**使用に関してのお願い [#i545c5f5]
-部屋が極めて汚くなってます。自分の使ったものは片付ける、ゴミはゴミ箱に捨てる、試料を扱う台で紙やすり等粉塵が出るものを使わない。装置内で試料を落としたら拾うなり、掃除する。試料を放置しない。この状況が改善されないなら、PCをパスワードで管理して、神崎管理下で使用するようにするしかありません。
-使用記録は明瞭に書いてください。使用時間も必要です。毎年、文科省に提出する書類に利用者内訳、使用時間等をまとめる必要がありますが、読めなくて苦労してます。
-この装置を使って論文を書かれた場合には、装置のことを記載してください。上記の記録やこれらが更新に際して必要性を示せる証拠となります。
**使用に関しての注意とtips [#u61aa7a7]
-試料台は高さの異なるものが数種あるので、試料自体の高さに合わせて適当なものを選ぶ。回折を取りたい部分に顕微鏡カメラの焦点が合わせられないと測定自体ができない。
-得られる1Dパターンの強度については2DPで積分するときに、通常の粉末回折計と同様なスリットに対応させた方法とリングに沿って積分する2つの方法が選べる。後者の方は強度が通常の回折計でとったものと異なるので注意を要する。
-格子常数を正確に求めたい場合にはNISTのスタンダードサンプルを混ぜたものを測定するのがベストだが、そもそもパウダーに出来るなら隣のSmartlab粉末回折計を使った方が精度の点でよい。それが出来ない場合はなるべくX線吸収が似たスタンダートを測定しておいて、同じ条件で測定試料のみを測定する。この場合の精度は焦点合わせがどれだけ再現よくできるかにかかっている。
-反射法の場合、試料自体や試料保持部分で吸収されて低角側の反射が取れない。そのため低角度側の強度は実際よりも(普通の回折計のパターンよりも)弱く見えることがある。正確な強度が必要な場合は注意を要する。Rietveld法はよほど注意して測定しないと使えない。低角側のピークを測定したい場合は、なるべくオメガ角を小さくする(コリメータとぶつからないように注意)。
-結晶サイズが大きい場合はスポット状に回折が出るので、積分された強度は通常の粉末パターンとかなり異なる。ファイ角を回転(または揺動)させて、オメガ角も揺動させて、回折条件を増やしてやる必要がある。単結晶を同定したい場合も回転か揺動が必須。
-ごく微量な試料は、シリコンやダイヤモンド単結晶の上に置いて測定する。下地の単結晶自体のスポットも出るので注意が必要。
-単結晶(透過法)測定の場合、位置決めはオメガを0度にした方がよい。
-透過法の場合はダイレクトビームストッパを使用する。反射法でもダイレクトビームが通ることがあるので、最初にテスト測定した2Dイメージにダイレクトビームが見える場合は、ダイレクトビームストッパを使用すること。
-X線が当たる位置は画面上のクロスヘアー上となるが、顕微鏡がずれていることがあるので、ファイ角を回転させて、回転中心とクロスヘアーが一致するようにクロスヘアー側を移動させる(PC上で)。そしてクロスヘアー上に試料の測定したい部分を移動させる。これを行わないと実際にどこを測定しているか分からないことになる。
-コリメータについて:300ミクロンコリメータはなぜか他よりも少し長いので交換時などは試料とぶつからないように注意すること。また調整用には使わないこと。10ミクロンコリメータでも回折線は一応取れるが、かなり弱いので特殊用途と考えること。
-安定性について:起動直後は焦点が安定しないため、強度がかなり弱い(ミラーとコリメータ調整は焦点が安定した状態で行っている)。そのため起動してからしばらく時間が経った後(30分くらい)で測定した方がよい。
-分解能に関して:少し調べてみたが、オメガ角を変えても分解能の違いは見られなかった。細いコリメータを使うと当然分解能が上がるが、50ミクロン以下ではあまり変化がなかった。IPの分解能の方が効いていると思われる。10ミクロンは強度がかなり低くなるので、分解能と強度を両立させたいなら50ミクロンか100ミクロンのコリメータがオススメ。50ミクロンの場合、シリコンを測定して2thetaが20-30度くらいで半値幅が0.2度くらいだった。Kalpha1,2の分離は80度くらいから。通常の粉末回折計と比べるとやはり分解能が悪いので、これ以上の分解能が必要なら、隣のSmartlab粉末X線回折計を使ってください。
-2DPソフトの利用について:回折線強度が弱い時に、2Dイメージでバックグラウンドを補正すると、Kalpha2強度が変な(弱い)場合がある。この場合は2Dイメージでのバックグラウンド補正をスキップして、1D化してからバックグラウンドを補正するとよい。Kalpha2 stripper機能は使わない方がいいようだ。
-透過法で測定するような場合、付属の顕微鏡では試料位置の調整が困難な場合が多い。別途、観察する光学系を設置する必要がある。そのような必要がある場合は神崎までご連絡ください。
-回折データをMac上でプロットするために、装置が出力するascファイルをcsvに変換するPython scriptを作った。MacのPlot2ではImport ASCIIで開けばプロットできる。[[ここ:http://www.misasa.okayama-u.ac.jp/~masami/asc2csv.py]]からダウンロードできる(Mac OS X用)。使い方はterminalにおいてデータのあるdirectoryに移動して、以下をタイプする。
 > asc2csv.py test.asc
これでtest.csvができる。それをPlot2やExcel, Numbersでオープンする。
**この装置を使った応用測定 [#bd3d3efc]
-[[高温X線回折実験]] 高温測定が600度まで可能となってます。
-高圧測定(準備中)
-単結晶用途:ステージが単結晶用ではないためリガクの単結晶用制御ソフトは使えない。データ処理ソフトについては何が使えるか調査中。
**メモ [#h215051f]
-メンテナンス関係
--油回転真空ポンプはULVACのGLD136(現在は136A)である。交換用の油はSMR-100を使う。フォアトラップはEdwardsのFL20K。オイルミストトラップはULVACのOMT-200Aである。これらの消耗品は全てアズワンで扱っている(OMT-200Aのフィルターは紙カタログにはなく、webで検索する)。
--ターボポンプ、回転対陰極ターゲット、ロータリーポンプはそれぞれ1度交換している。
-過去の記録
--2014年9月始めに故障して長く使えませんでしたが、10月末から使用できる状態に戻ってます。集光ミラーも修理終わりました。