外部加熱式DACと自作マイクロラマン分光装置

神崎正美

こちらは神崎の公式ウェブページです。別途Wikiの方に雑多な情報を書いてますので、そちらを見て頂いた方が研究活動内容がより理解できると思います。


最近公開した解説(link)

粉末X線回折法による未知結晶構造決定法


最近の研究から

phase AにおけるOH伸縮モードの相関場分裂の圧力チューニング

Pressure-tuned correlation field splitting in phase A [Mg7Si2O8(OH)6], J. Mineral. Petrol. Sci., 118:012. Free access

Liuら(1997)によるA相[Mg7Si2O8(OH)6]の高圧ラマンスペクトル研究では、2つのO-H伸縮バンドが18GPaまで徐々に接近するが、その後は交差せず離れていくことが示された。本研究では、この挙動の起源を明らかにするためにA相の振動計算を行った。重水素置換の有無も含む計算を行った結果、O-H伸縮振動の相関場分裂の圧力依存性がこの奇妙な振る舞いの原因であることがわかった。観測されたO-H伸縮振動数の圧力変化は定性的に再現された。C相(=超含水B相)では、1気圧で約60cm-1離れて観測された2つのO-Hバンドは、相関場分裂の結果であることがわかった。O-H伸縮振動モードに対する相関場分裂の影響は見過ごされやすいが、本研究で示されたように、同位体希釈法を模倣した振動計算によって明らかにすることができる。

ラマン分光法によるトリディマイトの圧力誘起相転移

Kanzaki, M. (2021) Raman spectroscopic study of pressure-induced phase transitions in tridymite modifications, J. Mineral. Petrol. Sci., 116, 245-250. Free access

トリディマイトMC, MX-1, PO-10の圧力誘起相転移をラマン分光法で調べた。室温でMCを加圧すると0.4 GPaでPO-10へ転移し、1.6 GPaでは未知相へと転移した。MX-1も加圧によりPO-10へ転移した。MCとMX-1は減圧過程ではPO-10へ戻ったが、常圧に戻してもPO-10のままであった。PO-10からスタートすると、やはり未知高圧相へと転移した。以前の研究ではMC/PO-10の転移は知られており、可逆転移とされていたが、本研究では可逆ではないことが示された。隕石中で最近見つかり始めたPO-10が元々隕石にあったMCの衝撃圧縮によりPO-10に転移した可能性について議論した。

CO2に富むメラノフロジャイト中のCO2

Kanzaki, M. (2020) CO2 distribution in CO2-rich melanophlogite from Fortunillo, Tuscany, Italy, J. Mineral. Petrol. Sci., 115, 471-478. Free access

メラノフロジャイトはSiO2組成のゼオライトの一種であり、かつ、包摂化合物でもある。最近の著者のCO2に富むメラノフロジャイトの高温ラマン測定から、CO2が最初はM14席にあり、高温でM12席へ移動する可能性が示されたが、その解釈に疑問点もあった。そこで2つの席のCO2分布を粉末X線回折法で今回直接調べた。その結果はM12, M14席共にCO2を多く含み、著者の以前のラマンからの解釈が間違いであることが分かった。またMEM法により電子密度を求め、CO2が席の中で配向している様子を明らかにした。加熱した試料についても同様の解析を行い、CO2が減少することが確認された。

トリディマイトMCの相転移:低周波数ラマン分光法による研究

Kanzaki, M. (2020) Phase transitions of tridymite MC: A low frequency Raman spectroscopic study, J. Mineral. Petrol. Sci., 115, 296_301. Free access

トリディマイトMC多形は常温で観察される3つの多形のうちの1つであり、加熱すると、OP, OS, OCと転移し、最後には本当の高温安定相HPへと転移する。本研究では、MC多形の高温その場ラマン測定を500 oCまで行って、相転移を調べた。高周波数側(> 100 cm-1)については以前の研究とほぼ一致した。低周波数側でMC/OP, OP/OS, OS/OC転移によるスペクトルの変化がそれぞれ観察された。期待されたOC相におけるソフトモードは観察できなかった。460と480 oC間で1つの低周波数ピークが消え、これがOC/HP転移と考えられる。この転移はX線回折実験からは380 oCくらいと言われており、今回観察された470 oCとは大きな差があるが、ラマンの方がX線回折よりも局所的な対称性に敏感であるので、それが転移温度の違いを生じたと解釈した。

You are 22388-th since Oct. 15, 2018.

Kanzaki web メニュー

Design by https://megapx.com/  Template by https://s-hoshino.com/  Sponsored by https://bizhits.net/
(C) Masami Kanzaki 2023