ピーナツバターとダイヤモンド

OUOperatingGrant.png

ピーナツバターからダイヤモンド合成(2021/04/27)

 ピーナツバターからダイヤモンドが合成できることが最近のNHKの「カネオくん」で取り上げられてました。これは2014年頃発表の論文がベースで、当時もいくらかはネットニュースなどで話題になりました。しかし実はピーナツバターからのダイヤモンド合成はその50年近く前に報告があります。なので2014年の論文で「最初に」ピーナツバターからダイヤモンドが合成されたとするのは正確ではありません。
 1955年にGeneral Electric社の研究所で公式には初めてダイヤモンドが高圧合成法で合成されました(この場合、原材料はグラファイトです)。同じ研究所のWentorfさんがその後、様々な有機物を使ってダイヤモンド合成の実験を行って、その中にはRaw peanutも含まれてました。その研究は1965年の論文で公表されています(R.H. Wentorf, Jr., The behavior of some carbonaceous materials at very high pressures and high temperatures, Journal of Physical Chemistry, vol.69, No.3, 3063-3069, 1965)。論文にはRaw peanutとあって、ピーナツバターとは書かれてないのですが、Robert M. Hazenさんの本(The New Alchemists及びThe Diamond Maker)には本人に直接聞いて、ピーナツバターを使ったこと、それで出来たダイヤモンド粉末が緑色だったことなどが書かれています。また、故川井直人先生のブルーバックスの本「超高圧の世界」でも、このWentorfさんの研究(生のピーナツと書かれているので、論文記載通りの内容)が紹介されています。この本は昭和52年出版で私は大学生の時に読みました。ピーナツ(殻付き)が高圧装置でダイヤモンドに変わる面白いイラストが載っており、そのためよく覚えてます。手元にまだ本があったので確認したら記憶通りでした。ちなみにイラストの高圧装置はテトラヘドラルアンビル装置で、Wentorfさんが使った装置(ベルト式)ではないのですが。


Last-modified: 2021-04-27 (火) 15:07:51