学術研究院先鋭研究領域・惑星物質研究所出張講義を行います。
「岡山から宙を望む~惑星物質研究所の拓く惑星科学の最前線~」
- 概要
- 出張講義(5階イノベーション創出フロア)
- 展示「小惑星リュウグウ試料のリモート観察」(4階リモートアクセスステーション)
- 講演者紹介
岡山大学は「地域と地球の未来を共創し世界の革新に寄与する研究大学」として、社会変革を起こす力を育み、人類社会の持続的進化のための新たなパラダイム構築を目指しています。その中で、「総合知」にもとづく研究力向上・研究者育成の観点より「岡山大学最重点研究分野」が制定され、その一つとして惑星科学・宇宙物理分野が掲げられています。人類の宇宙進出が飛躍的に拡大する21世紀において、その礎となる惑星科学・宇宙物理学分野の研究発展は、まさに人類社会にとって必須であり、今後さらなる発展を遂げることとなるでしょう。このような背景のもと、高等先鋭研究院の一員として本学における惑星科学分野をけん引する「惑星物質研究所」の活動を、本学学生やその育成に携わる教員・スタッフに「出張講義」形式で紹介するイベントを実施します。そして、分野の垣根を超えた新しい学問的取組が、今まさに進展しつつある惑星科学分野において、近い将来より大きな広がりを持つ学術領域へと発展する可能性を示し、卓越した次世代研究者が本学から巣立つための一助となればと期待する次第です。
日時:2025年11月5日 13:00~17:00
会場:岡山大学共創イノベーションラボ(KIBINOVE)
対象:本学学生・教職員 ※事前申込み不要 ※出入り自由 ※フリードリンク付き

13:00~13:15 芳野 所長(リモート)挨拶・惑星研紹介
13:15~14:00 第1講 国広 卓也 先生「小惑星物質から探る 初期太陽系 ― 我々は何処から来たのか?」
14:10~14:55 第2講 Ruj Trishit 先生「History of Water On Mars」
15:05~15:50 第3講 大竹 真紀子 先生「月面探査の最前線・LUPEX計画による水探査 Investigating Lunar Water by LUPEX mission」
16:00~16:45 講師・参加者交流会

13:30~16:30 惑星研の走査型電子顕微鏡をリモート運用し、実際の小惑星リュウグウ試料を観察することができます。担当者(太田努博士)の解説によって、初期太陽系物質の理解を深め、惑星物質科学研究の最先端に触れる貴重な機会となるでしょう。

国広 卓也 准教授(惑星物質分析化学部門)
専門は太陽系物質科学。特に二次イオン分析計を用いた局所分析による隕石を用いた、物質の起源・進化・ダイナミクスに関わる研究を精力的に行っています。惑星研で行った、小惑星リュウグウ試料の初期解析にも中心メンバーとして参画しました。

Ruj Trishit 准教授 (惑星表層環境部門)
専門は惑星地質学・地形学。特にリモートセンシングデータと、実験的手法や地球上のアナログ地形の解析を組み合わせ、火星地形の形成過程、形成条件に関する研究を行っています。2025年10月に惑星研に導入された火星環境シミュレーションチャンバーの運用責任者として、その活用をけん引します。

大竹 真紀子 教授 (惑星表層環境部門)
専門は月面探査・月岩石学。インドと共同で進められている月極域探査機「LUPEX」ミッションのアウトプットデータクリエーションチーム(ODCT)のチーム長としてプロジェクトをけん引しています。長年にわたる太陽系探査と惑星科学の発展に関する貢献により、2025年7月にNASA太陽系探査研究バーチャル研究所(SSERVI)のコラディーニ賞を受賞しました。
(問合せ先)
学術研究院先鋭研究領域(惑星物質)教授 小林 桂 katsura at pheasant.misasa.okayama-u.ac.jp
惑星物質研究所庶務担当 wakusei-syomu at adm.okayama-u.ac.jp